2015年11月6日金曜日

Gゲージの車輪を作る2015/11/06

 
旧ブログ(吊り掛け電車の通い道)の記事を編集して再掲載したものです。

今回は、Gゲージの車輪を作る話

これまで、Gゲージの自作車両には、レーマンやハートランドなど外国製品の車輪を使用していました。

外国製品の車輪
外国製品の車輪は、比較的安価(900円程度~)です。
しかし、外国製品のGゲージの車輪は、車軸に圧入している車輪が多く、外すことが難しくなっています。また、一度外すと車輪の振れが大きくなってしまったりすることが難点でした。
車輪の外し方について詳しくはこちら

国内メーカーでは、1番ゲージの車輪を旋盤加工で製作しているメーカーもあります。(スタジオBTなど)1番ゲージの車輪は、Gゲージの線路で走らせることができます。


先日、とあるイベントで、Gゲージの自作車輪が展示されていました。作り方を聞いてみると、サークルカッターでABS板を切り抜いて製作されているとのこと。
自分も試しに作ってみることにしました。

注意:今回の製作は、やり方によってはけがをする場合があります。この記事をもとに製作する場合は安全に注意して作業してください。また、車輪製作は精度が必要なため、初めてGゲージ車両を作る際は、既製品の使用をお勧めします。
なお、この記事をもとに製作をされて、けがや損害が発生した場合でも当方は責任を負えませんのでご了承ください。



さて、今回は、レーマンの車輪(6mm厚)に合わせ、2㎜のABS板を3層重ねる方法で製作しました。

レールに乗る外側の2層は直径30ミリ、フランジと呼ばれる内側のつばの部分は直径36ミリに設定して、サークルカッターをくるくる回して切っていきます。
(ABS板にサークルカッターをあてる際、刃が滑りやすいので注意)
切りにくいところは、Pカッターで跡をつけながら少しずつ切っていくと、スムーズに切ることができます。

切り抜いたABS板
3枚円盤が完成したら、サークルカッターの中心にできた針の跡に1㎜の穴を開けます。そして、穴が中心に開いているか確認します。

穴にピンバイスを差し込み、中心が出ているか確認しているところ
中心が出ているか確認したら、流し込み系のプラ用接着剤で接着します。

固まったらリューターで回しながら車輪の形状に近づけていきます。
まず、リューターに入るように中心の穴を広げ、リューターに車輪を固定させます。
そして、車輪に金属やすりを当てて回しながら削っていきます。
既製品の車輪と比較しながら削り過ぎに注意して、少しずつ削ります。
(やすりを当てる際、削り粉がかなり飛びますので、ゴーグル・マスクなどの対策をしてください)


既製品の車輪と比較して、フランジの角度と踏面の角度が合っていれば、片方の車輪は完成です。


完成した車輪

この車輪をもう一つ作り、用意した車軸に合うように中心の穴を広げれば、一組の車輪が完成します。今回は、将来動力車輪に使えるよう、3mmのネジシャフトを切断したものを車軸に採用しました。


手前が、組立が完了した車輪(奥にあるのは既製品の車輪)

完成した車輪を、モハ220の台車にはめ込み、試運転を行いました。

台車にはめ込んだ車輪(左側の車輪が自作車輪)

試運転したところ、少々振れはあるものの実用としては問題ないかなというところです。

今回の車輪、製造費は、既製品の半分以下に抑えられました。
ただ、耐久性は、今後しばらく走らせて様子を見ていきたいと思います。