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2018年10月12日金曜日

「木造」電車阪急1形を作る(8)~仕上げ・完成~

木造電車を作る第8回
今回は、各パーツを取り付け、完成させます。

~パンタの取り付け~
屋根上にパンタグラフを取り付けます。
パンタグラフは、LGBなど各社から市販されているので、それを使っても良いのですが、今回は自作してみることにしました。
(パンタグラフの制作についてはこちら

屋根に4か所穴をあけ、ネジで固定しました。
屋根に取り付けたパンタ

~室内灯の取り付け~
車内に室内灯を取り付けます。
室内灯は、線路から集電して光らせる方法と、車内に電池を搭載してその電気で光らせる方法とありますが、線路から集電する方法では、停車中は照明が消えてしまいます。
そのため、電池を搭載して光らせる方法にしました。

今回は、トミーテックの電飾キット(ジオラマ用)を使用しました。
この電飾キットは、電池ボックスと結線済みLEDがセットになっており、ハンダ付けなしで取り付けられるところがメリットです。

天井裏にコードを這わせて、LEDを配置します。
見栄えを良くするため、アクリルで天井板を作り、配線が隠れるようにしました。
取り付けた室内灯
点灯させるとこんな感じです。
室内灯を点灯させた時の様子

~前照灯・尾灯の取り付け~
前照灯は、これまでの車両では、木のパイプを加工して製作していましたが、
今回は、LEDリフレクタをもとに加工しました。
もともとLEDを取り付けて使うようにできているため、
簡単にLEDを組み込めるのがメリットです。
リフレクタの外側にプラ板を巻いて、前照灯っぽく加工し、黒く塗装しました。
LEDは、5mmの定電圧ダイオード付きのものを使用しました。(Gゲージは20Vくらいまで電圧がかかることがあるので、20Vまで耐えられるタイプにしておくことをお勧めします)
屋根に取り付けた前照灯

尾灯は、今回のモデルとしている阪急1形では、円筒形のものが窓上についています。
0.3mm厚のプラ板を、5mmの丸棒に巻きつけて、円筒形の部品を作り、LEDの入る穴をあけて製作しました。

LEDは、3mmのLEDに、定電圧ダイオード付きのソケットを取り付けて使います。
製作中の尾灯

完成した尾灯
点灯させた尾灯
~完成~
着工から1年、ついに阪急1形が完成しました。
完成した阪急1形
車内は、木造車独特の質感が表現できたと思います。
室内にカメラを置いて撮影
これまで、鉄道模型を作るのに、木を素材として使うのは、細かい造形が難しいため、あまり例がありませんでした。
今回、レーザー加工を使用すれば、ペーパー車体並みの細かい造形もできることが分かりました。

木を素材として使用するには、反りなどに注意する必要がありますが、木造の電車や、木を使った内装などを表現するには、温かみのある雰囲気が出て、とても効果的だと感じました。

2018年6月9日土曜日

「木造」電車阪急1形を作る(7)~窓ガラスの作成~

木造電車を作る第7回
今回は窓ガラスを製作します。

Nゲージなどの小型の模型では、透明プラ板を側面裏側に貼り付けて、窓ガラスを再現するのが一般的です。Gゲージでも、同じ方法で製作することが多いです。

しかし、今回の阪急電車の場合、車体に使用する木材が3ミリ厚と厚いため、上記の方法では、窓ガラスが奥まってしまい、不自然になってしまいます。

そこで、今回は、透明アクリル板をレーザー加工して、窓ガラスを1枚1枚、製作することにしました。

余談ですが、レーザーカッターでは、紙・木材以外にも、今回の透明アクリル板など以下の樹脂を加工することができます。

<加工することができる樹脂の例>
アクリル板(透明・不透明)・POM・ABS・ジュラコン・ポリエステル・ポリエチレンなど・・・
※レーザーカッターを利用できるファブスペースの中には、一部使用制限されている材質があります。詳細は各ファブスペースのHPを参照ください。
※塩ビなど、燃やすと有毒ガスが出る材質については使用できません。


illustratorで切り抜きデータを作成し、レーザーカッターで透明アクリル板を切り出しました。
切り抜いた透明アクリル板
実車では、戸袋窓と、側面窓上にある飾り窓の部分は、すりガラスになっています。
模型でも、同じ部分が、すりガラスに見えるよう、切り抜き加工と同時に、彫刻(ラスター加工)もしてみました。
ラスター加工は、加工時間はかかりますが、素材にさまざまな模様を付けることができます。今回はすりカラス風加工にしましたが、グラデーションにしたり、画像を彫刻させることもできます。
すりガラス風加工をした窓ガラス
そして、切り出した窓ガラスを、ゴム系接着剤を塗った後、窓枠にはめ込むと、窓の完成です。
窓枠にはめ込んだ窓ガラス(透明ガラスとすりガラス)

今回はここまで
デハ


2018年5月28日月曜日

「木造」電車阪急1形を作る(6)~塗装~

木造電車を作る第6回
今回は、車体の塗装をしていきたいと思います。


~塗装~
檜そのままの車体は白木の木目が美しいですが、屋外などを走行するGゲージでは、日焼けなどの影響が出ないか心配になります。

このままの状態で保管するか、塗装するか迷いましたが、屋外での走行を考え、思い切って塗装することにしました。

塗料は、ドイツ発祥のオスモカラーを使用してみることにしました。

オスモカラー
オスモカラーは、オイル性の木部塗料で、耐紫外線性のある屋外用も製品化されていて、建物から家具・おもちゃに至るまで、あらゆる木製用品に塗ることができるそうです。安全性も高くなっているそうです。

試し塗りしてみたところ、木の質感を変えずに色を付けることができ、自然な仕上がりになったことから、使ってみることにしました。
試し塗りをした車体
(手前が塗装後・奥が未塗装)

今回は、屋外用のカナディアンレッドを使用しました。

オスモカラーは、普通のプラカラーとは違い、木部にしみこませるタイプの塗料です。
そのため普通の筆で塗ると塗料がのりすぎてしまうため、少量を布などでこするように塗っていきます。
(細かいところは、布が入りにくいため、組み立てる前に塗った方が良かったかなと思いました。)

意外と少量で塗ることができます。
塗り始めてから2時間、レトロな雰囲気の茶色の車体になりました。

茶色に仕上がった車体

今回はここまで
デハ

2017年9月15日金曜日

「木造」電車阪急1形を作る(3)~データの加工・切り出し~

前回に引き続き、「木造」電車阪急1形について
(前回の様子はこちら

3次元データを2次元データに加工し、木材を切り出します。
Fusion360には、画面上で設計したものをDXF(2Dデータの汎用形式)形式で出力する機能があるため、今回はこの機能を使い、2次元データに加工しました。

オブジェクトを選択し、メニューの「スケッチ」→「プロジェクト/含める」→「プロジェクト」を選択すると、面の寸法がスケッチに投影されます。
↑投影されたスケッチ
次に作成されたスケッチを選択し、DXF形式で保存を選択し保存します。これで2Dデータに変換されます。
作成されたDXFデータはillustratorで開くことができます。各部品のデータを開き、切り出しができるよう、線色の調整、寸法の調整を行います。

調整が終わったら、檜板にレーザー加工を行います。
↑加工が終わった檜板
今回はここまで
次回は、切り出した車体の加工を行います。
デハ


2017年6月19日月曜日

「木造」電車阪急1形を作る(2)~木材の選定と設計~

前回に引き続き、「木造」電車阪急1形について
(前回の様子はこちら

車種が決まり、次は使用する木材の検討に入りました。
木材は天然素材のため、木材の種類によって材質が全く変わってきます。
また、今回は特に、鉄道模型に使うため、レーザー加工できる薄い素材であることが求められます。

調べてみたところ、レーザー加工用の木材として、檜の板が発売されていることが分かりました。
(株)ウッドボックスから発売されている、「東京檜」という檜板です。
通常、3mm厚や、6mm厚などの薄板は幅が10cm幅程度と狭く、側板の幅が10cm以上は必要なGゲージで使用するには少々窮屈です。(レーザーカッターは、ずれることがあるため、端に余白が5㎜以上はないと、部品の端が切れてしまう可能性がある)
しかし、東京檜の檜板は、12cm・14cm幅と広いため、Gゲージでも側板がしっかり入ります。
また、檜では珍しい1mm厚板もあり、シルヘッダーなどでも使用できそうです。

今回は、側面の扉間部分、床板に6mm板、側面の戸袋部分、前面、ダブルルーフの屋根骨組に3mm板、車体外板に1mm板を採用することにしました。

木材が決まったところで、設計に入ります。

檜の薄板は、湿度によって木目方向に大きく反ってしまうため、単純に3mm板1枚で立体物を作ろうとすると、どんどん反っていってしまいます。
そのため、3mm厚板を使うときは、強度を上げるために、木目を、横・縦・横と1枚ずつ変えながら重ねていく必要があります。

このため、設計する際には、木目の向きに注意する必要があります。

今回は、設計にFUSION360を使用してみました。
FUSION360は、AUTODESK社の3Dモデリングソフトで、これまでのモデリングソフトと異なり、パーツ単位で設計し、あとで組み合わせる、アセンブリ(組立)機能が充実しています。
そのため、複数のパーツを組み合わせて作る、模型制作に使いやすいツールと言えると思います。

図面の寸法をもとに、Gゲージサイズに変換し(今回は1/24で製作したため、各寸法を24で割る)、設計を進めていきました。
FUSION360は、レンダリング機能もあるため、モデル作成中に完成イメージを確認することができます。
車体外観のイメージ
室内のイメージ

この後、2次元データにし、木材を加工していくのですが、つづきは次回。
デハ




「木造」電車阪急1形を作る(1)~構想~

お久しぶりです。

今回から新型車両の製作に入っていきたいと思います。

今まで、模型の製作には、素材に、加工性の良いペーパーや、耐水性のあるプラなどを使用してきました。
しかし、それではどうしても表現できないものがありました。

今では(実物の)鉄道車両の素材は、ステンレスやアルミ、普通鋼などが一般的ですが、大正時代~昭和の初めにかけては”木”で作られた電車が多かったのです。
初期の鉄道車両は台枠を除いて全木製でしたし、安全上の問題から骨組みに鋼材が使われ始めた昭和初期でも、室内の素材には木が使われていたのです。
木造電車の車内(イメージ)
木でつくられた電車にしかない、独特の温かみのある内装、これはなかなか他の素材を使用しても再現できないものです。
しかし、木はこれまで、細かい細工がしにくい難点があり、鉄道模型ではほとんど使用されてきませんでした。
最近、レーザー加工技術が向上し、木でも細かい加工ができるようになってきました。
そこで、今回は”木”で木造の電車を試作してみようと思いました。

木を使った電車は、明治後期から、大正時代にかけて製造されました。
製造年が古いため、詳細な図面が残っている車両がかなり少ないため、どの車両を作るか検討しました。
そして、比較的詳細な図面が残っていた、阪急の1形を製作することにしました。

阪急1形は、阪急の前身、箕面有馬電気軌道の開業に合わせ、1910年(明治43年)に製造された車両です。
木造13.5m、3扉の当時としては近代的な車両でした。
登場当初は宝塚線、のちに今津線などの支線で活躍しました。
一部の車両は、昭和24年の京阪京津線(当時は阪急と京阪は同一会社でした)四宮車庫の火災に伴う車両不足で、石山坂本線に転出、のちに京阪カラーをまとって琵琶湖畔を走り抜けました。
また、一部は、和歌山電気軌道鉄道線(のちの和歌山電鐡貴志川線)、野上電気鉄道に譲渡され、野上電鉄に譲渡された車両は、野上電鉄が廃止された平成6年まで活躍しました。
現在では、最後まで阪急に残った1号車が阪急正雀工場に保存されています。

実車は、登場時は緩やかな丸みのある前面でしたが、のちの改造で平らな角型前面に改造されています。

今回は、側面は登場時、前面は角型改造後の姿で作っていきたいと思います。

つづきは次回

デハ