2019年4月21日日曜日

イースター貨車を作る2019

今年は4月21日がイースター。

と、いうことで(?)、昨年に引き続き、イースターの貨車を製作しました。
昨年製作した貨車についてはこちら

昨年と同様、Gゲージのフラットカー(床板の上に何も載っていない貨車のこと)にイースターの飾り付けをしていきたいと思います。
ベースとして使う貨車
この上に、5mm厚のスチロール板を使用して土台を製作します。
今回は川を作りたかったため、中央を掘り下げた形にします。
切り出したスチロール板
切り出したスチロール板を組み立てて、表面に芝生シート(薄緑色)を貼り付けます。
川にする部分には、青色の紙を貼り付けます。
芝生シート
芝生シート・青色の紙を貼り付けた土台


次に、川の部分に鉄道模型用の波面シートを張り付けていきます。
波面シートはロール状で販売されているため、曲げ癖がついているので、
少し長めに切りだして、ゴム系接着剤で貼り付けます。
(接着剤が固まったら、端を切り落とします)
波面シートを張り付けた土台
次に、川岸を表現していきます。
今回は、100円ショップで入手した流木を岩に見立てて使用しました。
土台に固定した流木
最後に、イースターの飾りを固定します。
今回もキリスト教関連の飾りを扱うお店や、雑貨店などで調達しましたが、
去年よりグッズが少なく、ちょうどよいサイズの飾りがなかなか手に入らず、難しかったです。
飾りを取り付けた土台
貨車に載せると完成です。
去年製作した貨車と並べてみました。
なお、貨車と土台は両面テープで止まっているだけなので、イースターの時期以外は普通の貨車として使っています。
去年製作した貨車と連結
編成で走行するイースター貨車
また、季節のイベントに合わせて、デコレーション貨車を作ってみたいと思います。

2019年4月3日水曜日

アクリルとPOMで大井川7200をつくる(1)構想

3ヶ月間、ご無沙汰してしまいました。

今回から、新作を作っていきたいと思います。

これまで、Gゲージを作るときは、紙や木で車体を作ってきました。

前回、木造電車の製作では、初めてレーザー加工機を使用しました。
レーザー加工機では、紙や木だけではなく、可燃性の樹脂(アクリルやPOMなど)も切り出すことができます。

今回は、主にアクリル樹脂を使用し、車両を作っていけたらと思っています。
アクリルは、硬くて割れやすいため、加工が非常に難しい素材です。
しかし、レーザー加工を用いることにより、細かい造形を作ることができます。
ただし、割れやすいため、強度が必要な部分は太くしたり、他の素材と併用するなどの工夫が必要になります。

今回製作するのは、大井川鉄道7200形です。
東急7200系を両運転台に改造した車両で、「ダイヤモンドカット」と呼ばれる、「くの字」になった独特の前面形状が特徴の車両です。
改造時に新設した側の運転台は切妻になっており、前後で顔が違う車両になっています。
改造当初は十和田観光電鉄で活躍していましたが、同線廃止後は大井川鉄道に譲渡されています。
東急7200系(写真は同型車の7600系)

この「ダイヤモンドカット」の前面を、アクリルから作っていきたいと思います。

続きは次回
デワ


2019年1月1日火曜日

2019年新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
去年は10月以降少々多忙となり、ブログの更新が止まってしまいました。
今年もぼちぼち進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

2018年10月12日金曜日

「木造」電車阪急1形を作る(8)~仕上げ・完成~

木造電車を作る第8回
今回は、各パーツを取り付け、完成させます。

~パンタの取り付け~
屋根上にパンタグラフを取り付けます。
パンタグラフは、LGBなど各社から市販されているので、それを使っても良いのですが、今回は自作してみることにしました。
(パンタグラフの制作についてはこちら

屋根に4か所穴をあけ、ネジで固定しました。
屋根に取り付けたパンタ

~室内灯の取り付け~
車内に室内灯を取り付けます。
室内灯は、線路から集電して光らせる方法と、車内に電池を搭載してその電気で光らせる方法とありますが、線路から集電する方法では、停車中は照明が消えてしまいます。
そのため、電池を搭載して光らせる方法にしました。

今回は、トミーテックの電飾キット(ジオラマ用)を使用しました。
この電飾キットは、電池ボックスと結線済みLEDがセットになっており、ハンダ付けなしで取り付けられるところがメリットです。

天井裏にコードを這わせて、LEDを配置します。
見栄えを良くするため、アクリルで天井板を作り、配線が隠れるようにしました。
取り付けた室内灯
点灯させるとこんな感じです。
室内灯を点灯させた時の様子

~前照灯・尾灯の取り付け~
前照灯は、これまでの車両では、木のパイプを加工して製作していましたが、
今回は、LEDリフレクタをもとに加工しました。
もともとLEDを取り付けて使うようにできているため、
簡単にLEDを組み込めるのがメリットです。
リフレクタの外側にプラ板を巻いて、前照灯っぽく加工し、黒く塗装しました。
LEDは、5mmの定電圧ダイオード付きのものを使用しました。(Gゲージは20Vくらいまで電圧がかかることがあるので、20Vまで耐えられるタイプにしておくことをお勧めします)
屋根に取り付けた前照灯

尾灯は、今回のモデルとしている阪急1形では、円筒形のものが窓上についています。
0.3mm厚のプラ板を、5mmの丸棒に巻きつけて、円筒形の部品を作り、LEDの入る穴をあけて製作しました。

LEDは、3mmのLEDに、定電圧ダイオード付きのソケットを取り付けて使います。
製作中の尾灯

完成した尾灯
点灯させた尾灯
~完成~
着工から1年、ついに阪急1形が完成しました。
完成した阪急1形
車内は、木造車独特の質感が表現できたと思います。
室内にカメラを置いて撮影
これまで、鉄道模型を作るのに、木を素材として使うのは、細かい造形が難しいため、あまり例がありませんでした。
今回、レーザー加工を使用すれば、ペーパー車体並みの細かい造形もできることが分かりました。

木を素材として使用するには、反りなどに注意する必要がありますが、木造の電車や、木を使った内装などを表現するには、温かみのある雰囲気が出て、とても効果的だと感じました。

2018年9月16日日曜日

Gゲージのパンタを作る③

Gゲージのパンタ製作、今回はパンタ台座と集電シューを作ります。

<パンタ台座の製作・組立>
パンタ台座は、パンタを車体に固定する部品です。

5mm角の真鍮L字棒と、3mm幅の真鍮平棒を使用し製作しました。

パンタ軸が通る部分には、2mmの穴をあけ、軸受にしています。
また、後で改造したり分解したりしやすくするため、組み立てはハンダを使用せず、ネジ止めで組み立てています。
組み立てたパンタ台座
次に、パンタを組み立てます。
台座にパンタ軸を差し込み、バネ支持金具に、引きバネを引っ掛けます。
バネを引っ掛けると、パンタ枠が勢いよく上昇します。
(このとき、上昇する力が強すぎるようであれば弱いバネに、上昇しないようであれば、強いばねに交換するなどして、調整してください。架線集電しないのであれば、あまり強い力でなくても上昇すれば問題ありません)

次に、両側の平衡支持金具に、1mmの真鍮線を曲げて引っ掛けます。
これで、左右のパンタ枠が、バランス良く上昇するようになったと思います。
パンタ軸にバネと真鍮線を引っ掛けたところ
組み立てたパンタ
<集電シューの製作>
最後に集電シューを製作します。
集電シューは、架線をこする部分です。
実物では、集電シューが架線から外れてしまう(離線)と、パンタの破損につながるため、曲線の線路でも架線から外れないよう、パンタ枠より大きめに作られています。
また、碍子などの建造物の破損を防ぐため、集電シューの先端は丸めてあります。

Gゲージで架線集電する場合は、実物同様、架線から外れないように、設計する必要があります。

3mmの真鍮線を切り出し、先端を丸めて作成しました。
切り出した集電シュー
次に、5mm角の真鍮L字棒を使用して、パンタ枠との接続部品を作ります。
L字の片方の辺には、パンタ軸接続用の2mm穴を、もう片方の辺には集電シューとつなげるため、M1.4のネジ穴をあけました。
作成した接続用パーツ(写真右の2つのパーツ)

最後に、接続用パーツをパンタ枠に差し込んだ後、集電シューにM1.4のネジ穴をあけ、接続用パーツとネジ止めし、パンタの完成です。
完成したパンタ
横から見ると、こんな感じです。
完成したパンタ(横)
菱形パンタは、作成するパーツは多いですが、思っていたより構造は難しくないなと思いました。

今回作ったパンタグラフを応用して、さまざまなパンタが作れるのではと思います。
また、機会があれば、パンタを自作したいと思います。

2018年8月19日日曜日

Gゲージのパンタを作る②

Gゲージのパンタを作る2回目です。
前回作成した図面をもとに、パンタを作っていきます。

<パンタ上枠・下枠の製作>
パンタの上枠・下枠は、真鍮線を曲げて製作します。
今回は2mmの真鍮線を使用しました。
真鍮線を曲げるにはコツが要ります。
曲げ位置がずれてしまうこともしばしばあるため、このような折り曲げるパーツを作るときは、最初に曲げてから所定の寸法にカットするようにしています。
1回目で作成した図面に合わせて、真鍮線を曲げていきます。
製作中の下枠
下枠の、上枠とつながる部分は、関節にして、可動できるようにします。
下枠の折り曲げた部分に、はんだを流し込み、2ミリの穴をあけ、上枠の軸が通るようにしました。

上枠も下枠と同様、真鍮線を曲げて製作しました。
真鍮線を曲げて製作した上枠
<バネ支持用金具・平衡支持金具の製作>
菱形パンタは、2つの下枠をバネで引き合うことで、枠の関節で支えられた集電シューが上昇し、架線に当たる仕組みになっています。
パンタの枠は、互いに同じ角度で上がらないと、うまく集電シューが架線に当たることができません。
パンタの枠が、互いに同角度で上昇するように、パンタの枠同士を金具で接続する必要があります。
金具は、3ミリの真鍮平棒を切断し、金具接続用の1mm穴と、パンタ軸用の2mm穴をあけ、バネ支持用金具と、平衡支持金具を、パンタ軸に差し込み、はんだ付けします。

軸に取り付けた金具 中央2つがバネ用、外側二つが平衡支持用
※9/10追記
<平衡支持金具の仕組み>
平衡支持金具は、パンタの軸に取り付けて使用します。(下図参照)
パンタの枠(下図の赤・紫色部分)が動くと、パンタの軸が回転するため、平衡支持金具(下図青色部分)が回転します。
回転すると、左右の平衡支持金具をつなげる真鍮棒線(下図緑線)が動き、反対側の経公支持金具と連動するため、両方のパンタ枠が同じ角度で上がるようになります。

この仕組みは、実物の菱形パンタグラフでも使用されています。


<パンタ上枠・下枠・支持用金具の組立>
ここまでで製作した各部品を組み立てます。
はんだ付けで組み立てていきます。
はんだは、電子工作用のヤニ入りはんだと、板金用のフラックスを用いて付けるはんだと2種類ありますが、今回は細かい部品を付けるため、ヤニ入りはんだを使用しました。
2組作るとかなりパンタらしくなりました。
2組作ったパンタ
今回はここまで
次回はパンタ台座を作ります。

2018年7月31日火曜日

Gゲージのパンタを作る①

今回は、Gゲージのパンタグラフを作ります。

現在製作中の阪急1形、この車両には屋根上に、小型の菱形パンタグラフが搭載されていました。

日本国内で使用されているパンタグラフには、電気機関車用の大型パンタから、路面電車用の小型パンタまで、いろいろなサイズがあります。

しかし、Gゲージのパンタグラフは、ヨーロッパ型に載せることを前提としているため、大型のパンタしか製品化されていません。
ヨーロッパでは、路面電車でも大型パンタを載せることが多いようで、あまり小型のパンタグラフが使われていないためだと思われます。(福井や高知、広島などではしっている外国電車も、大型パンタグラフの車両が多いです)

今まで作ってきた車両は、既製品の大型パンタを使用してきました。
今回は初めてパンタグラフを自作してみることにしました。

設計は、阪急1形と同様、3D設計ソフト「Fusion360」を使用しました。

まず、パンタの断面を描いた後、パイプツールなどを使ってパンタを設計していきます。
菱形パンタは左右対称なので、まず半分作ってから、ミラーツールでコピーすると、簡単に左右対称に設計することができます。

設計したパンタ
次に設計したものを図面化します。車体側面など面になっているものは、投影ツールで2D化することができます。
しかし、パンタなど複雑な形を図面化するときは、スケッチツールで一本ずつなぞり、出力する必要があります。
Fusion360は、3次元曲面や、パイプなどの複雑な面の図面化があまり得意ではなく、今回のパンタなどのような複雑なものの図面化には少し工夫が必要です。
模型に限らず、複雑なものの図面化が必要な場面は多いと思います。Fusion360は頻繁にアップデートを行っているので、ぜひ投影・2D化機能についても改善を期待したいです。
設計したパンタの線をスケッチでなぞる

2D化したものを、DXF出力し、イラストレーターで編集します。
編集した図面を印刷します。この図面をもとに、パンタを作っていきます。

今回はここまで

次回からパンタを製作していきます。
デハ