Gゲージの動力車両を作る、今回は二軸動力の電気配線をしていきたいと思います。
前回の記事はこちら
モーターで動くタイプのGゲージでは、主に2つの電源方式が使われています。
一つはコンセントからパワーパックを介して線路に通電し、線路から集電する方式。
もう一つは、車両内に電源を搭載し、遠隔制御する方式です。
1つ目の線路から集電する方式は、Gゲージ以外にも多くの鉄道模型で用いられている方式で、パワーパックで細かな速度制御ができるなどのメリットがあります。
しかし、Gゲージだけなぜか、メーカーによって線路のプラスマイナスが異なるというデメリットがあります(レーマン製は右側のレールがマイナスの時に前進し、他社は右側マイナスで後進してしまう)。
また、Gゲージでは、ポイントが非選択式という方式を採用しているため、線路に電圧を入れると、駅にいる列車全てが動き出すという事態が起きてしまいます。
そこで、今後、線路集電のGゲージ車両を自作しようと考えている方は、動力に逆転スイッチを取り付けることをおすすめします。
このスイッチを取り付けると、先程の線路集電のデメリットが全て解決します。
さて、2つ目の電池を搭載する方式ですが、こちらは最近のラジコン技術の進化で、少しずつ出始めている方式です。
こちらは、線路に電気を流さなくても走る(線路がなくても走ります。)ほか、前述のような極性の違いもありません。
しかし、遠隔制御なので、電波の種類によっては、他の電波と混信したり、受信距離以上に広いレイアウトでは、コントロールが効かない可能性があります。
今回は、線路集電と電池駆動をスイッチで切り変えられるように配線していきたいと思います。
配線図は以下の通りです。
線路電源と電池電源を併用する時の配線図 |
1.集電板の製作
線路から電気を取るためには、集電板を車輪に接触させる必要があります。
集電板はLGBなどで製品化されていますが、自作することもできます。
集電板は、弾力のある金属がよいので、0.5mmの燐青銅板を使用します。
車輪をうまくこするように調整(こする力が強すぎると車輪回転に影響する)したあと、床板にネジ止めします。
燐青銅板から製作した集電板 |
床板に取り付けた集電板(ネジ止めされた銅色のパーツ) |
今回は、逆転スイッチにタミヤの6Pスイッチを使用しました。
タミヤのスイッチは、中立状態でOFFにすることもできるため、線路上で停止させることができます。(同様のタイプのスイッチは他社でも発売されています)
なお、6Pスイッチの中には、バネで中立状態に戻ってしまうものもありますが、そのタイプは逆転スイッチとしては使えません。
床板にスイッチが入る穴をあけ、逆転スイッチをはめます。
線路電源と電池電源を併用する場合は、もうひとつ6Pスイッチを取り付けます。
床板にはめ込んだ逆転スイッチ |
(線路集電専用の場合は不要です)
切り替えスイッチを電池に切り替えたときに使う、電池電源を設置します。
今回は、簡単に9v電池のフリー走行としました。
この部分に、RC基板を設置するとRC化できます。
RC化は、昔はトイラジ改造が主流でしたが、今はZigBeeやArduino等で簡単に自作できるようになりました。
床板に穴をあけ、9v電池用の電池ボックスを設置します。
床板に設置した電池ボックス(写真右手前) |
4.電気配線
前述した配線図をもとに、電気配線をしていきます。
今回の配線図 |
ここまでで製作してきた集電板、逆転スイッチ、電源切換スイッチ、ギヤボックスのモーターを導線で接続していきます。
接続したところで正しく配線されているか確認した後、はんだ付けして配線完了です。
はんだ付けしたスイッチ |
はんだ付けが完了したら、動力の完成です。
完成した動力 |
車体を載せて完成させたところ |
今回はここまで