2018年3月28日水曜日

「木造」電車阪急1形を作る(5)~屋根の製作~

木造電車を作る第5回

今回は屋根を製作します。

今回製作している阪急1形は、ダブルルーフと呼ばれる、二段構造の屋根になっています。また、屋根の端の部分は丸みのある特徴のあるデザインになっています。
当時の電車は、車内の照明が少なかったこともあり、屋根を二段屋根にし、明かり取り窓をつけているのが一般的でした。

今回は、この特徴的な屋根を再現していきたいと思います。
二段屋根になっている例
(明治村 ハフ13)
一般的に、模型で屋根を作るときには、以下の方法で作ります。
・バルサで削って作る方法
・金属をたたき出して作る方法
・屋根の骨組みを作り、細長い板を張っていく方法

今回は、骨組みを作り、板を張っていく方法にすることにしました。
この方法にすると、車内の空間が広くなるため、より実物に近い仕上がりになります。
(帆船模型などではポピュラーな方法のようです)


まず、屋根板を支える骨組みを作ります。
骨組みは、車体と同じくレーザー加工した檜板(3mm厚)を組み立てて作りました。

後で貼り付ける屋根板が貼りやすいように、車体横方向と縦方向に数か所、骨組みを入れていきます。車体に等間隔に入れていきますが、パンタグラフが載る部分は強度が必要なので、パンタの下には必ず骨組みを入れるようにします。

車体に取り付けた屋根骨組み

次に、この骨組みに屋根板を張っていきます。
屋根板には、加工しやすいバルサを使いました。
端部のオデコは、バルサに細く切り込みを入れて瞬間接着剤で固定します。
固定後、ヤスリで表面を整えるときれいに仕上がります。
板を張ったオデコ
この後、通常は下地処理(サーフェイサー)・塗装をするのですが、今回は、檜の質感を出したかったため、
東京檜の檜板に付いてくる、檜のカンナくずを延ばして貼り付けてみることにしました。

カンナくずを水に浸けて、延ばしていきます。
延ばしたカンナくず
このカンナくずを、乾かして、平らにしてから、車体に貼り付けました。
カンナくずを延ばし、貼り付けた屋根


今回はここまで。
次回、仕上げをしていきたいとおもいます。




2018年2月17日土曜日

【ニュース】スイス・レーティッシュ鉄道にLGBラッピング電機が登場

今年は、Gゲージ(LGB)の最初の製品が出てから50周年
それを記念して、スイスのレーティッシュ鉄道に、LGBのラッピング機関車が登場しました。
ラッピングされたのは、レーティッシュ鉄道の主力機関車で、LGBでも製品化されているGe4/4 Ⅱ形
ラッピング作業中の動画がYoutubeに上がっています。

(オランダのGゲージ専門店、Grootpoor.comより)



LGBの赤い車両ケースをモチーフにしたデザインで、わりと落ち着いた感じの仕上がりになっています。

レーティッシュ鉄道は、機関車に派手な(?)ラッピングをすることがよくあります。
以前には、鉄道模型メーカーのベモのラッピング機関車や、姉妹鉄道になっている、箱根登山鉄道のラッピング機関車も存在しました。

LGB50周年企画、次はどんなことがおきるか、楽しみです。

2018年1月8日月曜日

「木造」電車阪急1形を作る(4)~車体の組み立て

木造電車を作る第4回です。

前回、レーザー加工したひのき板を組み立てていきたいと思います。
(前回の様子はこちら

レーザー加工した車体
レーザー加工が終わった車体は、実際に組み立てる前に、パーツ同士が正しく合うかなどを確かめるため、仮組(組立のテスト)を行います。

レーザー加工は、元のデータに従って加工するため、元の設計が正確であれば、きちんと組み立てることができます。
しかし、設計、レーザー加工の線指定など、ちょっとしたミスなども正確に反映されてしまうため、一度仮組をして設計上のミスがないか確認します。
もし、仮組をしてうまく合わない個所があった場合は、設計を修正するか、手作業でパーツを削って対応します。
仮組中の車体
仮組が終わり、パーツの確認・修正をしたら、いよいよ接着剤を使って組み立てます。

今回の接着にはタミヤのクラフトボンドという接着剤を使いました。
ノズルが小さいため、細かい接着に向いています。
ちなみに、このボンドは、アルテコの速乾アクリアのOEM商品で、アクリアと中身は同じです。
今回使用した接着剤
組立中、反りなどが原因でどうしても接着できないところがあったりします。
そんな個所には、洗濯ばさみやクリップなどを使って押さえながら固定していきます。
洗濯ばさみで固定している様子
強度が必要な床板や、反りが心配される側面などには、あらかじめ太い梁を入れます。
今回は、5mm角の檜棒(ストックしていた棒が偶然檜だったのですが、檜ではなくても固めの木であれば使えます)を梁に使いました。
床板に取り付けた梁
最後に、外板を貼り付けます。
今回は1mmのひのき板を使いました。
車体に張り付けた外板

今回はここまで
次回は、屋根を作って仕上げたいと思います。











2018年 新年のご挨拶


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
去年は少々多忙となり、ブログの更新が止まってしまいました。
今年もぼちぼち進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。


2017年9月15日金曜日

「木造」電車阪急1形を作る(3)~データの加工・切り出し~

前回に引き続き、「木造」電車阪急1形について
(前回の様子はこちら

3次元データを2次元データに加工し、木材を切り出します。
Fusion360には、画面上で設計したものをDXF(2Dデータの汎用形式)形式で出力する機能があるため、今回はこの機能を使い、2次元データに加工しました。

オブジェクトを選択し、メニューの「スケッチ」→「プロジェクト/含める」→「プロジェクト」を選択すると、面の寸法がスケッチに投影されます。
↑投影されたスケッチ
次に作成されたスケッチを選択し、DXF形式で保存を選択し保存します。これで2Dデータに変換されます。
作成されたDXFデータはillustratorで開くことができます。各部品のデータを開き、切り出しができるよう、線色の調整、寸法の調整を行います。

調整が終わったら、檜板にレーザー加工を行います。
↑加工が終わった檜板
今回はここまで
次回は、切り出した車体の加工を行います。
デハ


2017年6月19日月曜日

「木造」電車阪急1形を作る(2)~木材の選定と設計~

前回に引き続き、「木造」電車阪急1形について
(前回の様子はこちら

車種が決まり、次は使用する木材の検討に入りました。
木材は天然素材のため、木材の種類によって材質が全く変わってきます。
また、今回は特に、鉄道模型に使うため、レーザー加工できる薄い素材であることが求められます。

調べてみたところ、レーザー加工用の木材として、檜の板が発売されていることが分かりました。
(株)ウッドボックスから発売されている、「東京檜」という檜板です。
通常、3mm厚や、6mm厚などの薄板は幅が10cm幅程度と狭く、側板の幅が10cm以上は必要なGゲージで使用するには少々窮屈です。(レーザーカッターは、ずれることがあるため、端に余白が5㎜以上はないと、部品の端が切れてしまう可能性がある)
しかし、東京檜の檜板は、12cm・14cm幅と広いため、Gゲージでも側板がしっかり入ります。
また、檜では珍しい1mm厚板もあり、シルヘッダーなどでも使用できそうです。

今回は、側面の扉間部分、床板に6mm板、側面の戸袋部分、前面、ダブルルーフの屋根骨組に3mm板、車体外板に1mm板を採用することにしました。

木材が決まったところで、設計に入ります。

檜の薄板は、湿度によって木目方向に大きく反ってしまうため、単純に3mm板1枚で立体物を作ろうとすると、どんどん反っていってしまいます。
そのため、3mm厚板を使うときは、強度を上げるために、木目を、横・縦・横と1枚ずつ変えながら重ねていく必要があります。

このため、設計する際には、木目の向きに注意する必要があります。

今回は、設計にFUSION360を使用してみました。
FUSION360は、AUTODESK社の3Dモデリングソフトで、これまでのモデリングソフトと異なり、パーツ単位で設計し、あとで組み合わせる、アセンブリ(組立)機能が充実しています。
そのため、複数のパーツを組み合わせて作る、模型制作に使いやすいツールと言えると思います。

図面の寸法をもとに、Gゲージサイズに変換し(今回は1/24で製作したため、各寸法を24で割る)、設計を進めていきました。
FUSION360は、レンダリング機能もあるため、モデル作成中に完成イメージを確認することができます。
車体外観のイメージ
室内のイメージ

この後、2次元データにし、木材を加工していくのですが、つづきは次回。
デハ




「木造」電車阪急1形を作る(1)~構想~

お久しぶりです。

今回から新型車両の製作に入っていきたいと思います。

今まで、模型の製作には、素材に、加工性の良いペーパーや、耐水性のあるプラなどを使用してきました。
しかし、それではどうしても表現できないものがありました。

今では(実物の)鉄道車両の素材は、ステンレスやアルミ、普通鋼などが一般的ですが、大正時代~昭和の初めにかけては”木”で作られた電車が多かったのです。
初期の鉄道車両は台枠を除いて全木製でしたし、安全上の問題から骨組みに鋼材が使われ始めた昭和初期でも、室内の素材には木が使われていたのです。
木造電車の車内(イメージ)
木でつくられた電車にしかない、独特の温かみのある内装、これはなかなか他の素材を使用しても再現できないものです。
しかし、木はこれまで、細かい細工がしにくい難点があり、鉄道模型ではほとんど使用されてきませんでした。
最近、レーザー加工技術が向上し、木でも細かい加工ができるようになってきました。
そこで、今回は”木”で木造の電車を試作してみようと思いました。

木を使った電車は、明治後期から、大正時代にかけて製造されました。
製造年が古いため、詳細な図面が残っている車両がかなり少ないため、どの車両を作るか検討しました。
そして、比較的詳細な図面が残っていた、阪急の1形を製作することにしました。

阪急1形は、阪急の前身、箕面有馬電気軌道の開業に合わせ、1910年(明治43年)に製造された車両です。
木造13.5m、3扉の当時としては近代的な車両でした。
登場当初は宝塚線、のちに今津線などの支線で活躍しました。
一部の車両は、昭和24年の京阪京津線(当時は阪急と京阪は同一会社でした)四宮車庫の火災に伴う車両不足で、石山坂本線に転出、のちに京阪カラーをまとって琵琶湖畔を走り抜けました。
また、一部は、和歌山電気軌道鉄道線(のちの和歌山電鐡貴志川線)、野上電気鉄道に譲渡され、野上電鉄に譲渡された車両は、野上電鉄が廃止された平成6年まで活躍しました。
現在では、最後まで阪急に残った1号車が阪急正雀工場に保存されています。

実車は、登場時は緩やかな丸みのある前面でしたが、のちの改造で平らな角型前面に改造されています。

今回は、側面は登場時、前面は角型改造後の姿で作っていきたいと思います。

つづきは次回

デハ